佐々木正美『子どもへのまなざし』福音館書店

よい本です、何がよいかというと語り口がとても温かい。大事なことは何度も何度も言ってくれる。本当に大変なお仕事を重ねてきて、こんな語り方を身につけられたのだろうと思います。
続巻の『続 子どもへのまなざし』も読んでいるところ。
なんといってもこの人の語り口には母性的な温かさが溢れているのだと思う。だから多くの人がこの本を読んだんじゃないのかと思う。
娘の親になってもうすぐ2年になるところだけど、まだまだ親としては駆け出しの私である。
教育テレビの「ひとりでできるもん」に出てくる枝元なほみさんを見ると「あんな人がお母さんだったら」なんて思ってしまうのである。

「母性」という言葉には妊娠中や出産直後は警戒していたけれど、佐々木さんが伝えようとしている「母性」「父性」には共感できた。そして子どもには「母性」的なものが満たされることが何より大切だということも素直に心に入ってくる。
自分が小さかったとき、兄たちは学校や幼稚園へ行くけれど自分はまだ家でお母さんと二人の時間を持て余すほど持ってたころのことをなんとなく思い出した。そして幼稚園に行かなければならなかった日のことも。