あの街のこどもだったこと

まだ映画は見に行っていないんだけど、去年「その街のこども」をテレビで見た。
このドラマを見たことで何かちょっとは気がついた気がする。
あの頃は自分も神戸の仲間になりたかった、あの体験を共有したかった。東京の何も欠けることのない生活と神戸との間で、自分がどこに立っているのか分からなかった。自分が非被災者であることの居心地の悪さにとらわれて、何をしたらいいか分からなかったなぁ。

3月になって、実家に帰ったときも本当にどこを見たらいいのか、分からないままだったなぁ。

体験を共有したかった、あっちの仲間になりたかったんだと思う。

でも、ものすごく、その後の神戸と自分の間に壁を感じてた。
どんどん新しくなって、きれいになる町並みを見て、ホッとする気持ちと、どんどん自分の知らない街になるような気持ちがしてた。

でも、非被災者という言葉にであって、楽になった。
ドラマを見て震災の体験も人それぞれで、体験の共有なんて出来やしないことがわかったし、震災って何だったん??っていうところに立ってていいんだと思えた。
私は非被災者で、震災のことはわからない。

神戸にいなかったし、親も兄弟も元気だし、家も大丈夫だったし、そりゃ生活は大変だったみたいだけどね。
だから、震災のことは私にはよくわからない。

だけど、中越のときにたまたま新潟に居合わせて、人生で一番の揺れを経験した。新幹線が止まってしまって、東京に帰れなくなったけど、日常生活に不自由はなかった。

今まで被災したことはない、でも、いつか災害に遭うかもしれない。
と、思う。


1月17日が来るたびに、16年前の気持ちを思い出すだろうと思う。
自分の感じた気持ちだけ、私が覚えていることはそれだけ。
それだけでいいんだと思う。

去年も帰らなかったけど、そのうち帰れるかな。