読み終わっちゃいました

ヴォイス (西のはての年代記 2)

ヴォイス (西のはての年代記 2)

パワー (西のはての年代記 3)

パワー (西のはての年代記 3)

続けて読み終わってしまった。
『ヴォイス』を読んでいる途中で『ゲド戦記』の映画のについてのル グインのコメントを読んだりもして、確かに『ヴォイス』は征服下の都市の物語だけど戦闘の場面や暴力的な描写は少ない。征服下の都市の緊張感や軍隊と民衆とのにらみ合いの気配でこちらも固唾を飲んでしまうけれど。
でも総じて『ヴォイス』の主人公は周りの人々に見守られ、支えられている安心感があった、と『パワー』を読んでからはしみじみと懐かしく思ってしまう。

『パワー』では二度目の葬儀の場面から先はどうなるのか、どうなるのか、と思ってどんどん先を読むしかなかった。主人公を追いかけるようにどんどん読み進んでしまった。
周囲に信頼を裏切られてからそれでもどこかしらの集団の中で生きて行くことの難しさがある。たどり着いたところで周りに必要とされ、自分の役割を果たしてもそれでも主人公には得られないものがある。

小さい子の悲しい場面にはとっても弱い私なのですが、(『ギフト』のひよこが死んじゃったところの悪意の深さに、一日立ち直れなかった)最初の葬儀のところで十分しんどかったので、最後にメルを連れて行けてよかった。

最後に坂道を上って明るいところへ出られたので本当に助かった。
幻に見た海の向こうの白い山を実際に見ることができるんでしょう、よかったね。