読み中

アンの娘リラ (完訳 赤毛のアンシリーズ 8)
ロマンティックなヒーロー、ヒロイン像は置いといて、平時と戦時の違いというものは本当に恐ろしい。平時にNoと言えたものが戦時にYesになっていく。

付記
でもこの4年間という日々を生きる家族の姿というのは興味深い。父や夫や兄弟を送り出し、海の向うの大陸の戦争を新聞で読み、女達は銃後の支えとしての活動を日常に取り入れて生活する。島の外のことには興味をなかった村人が、ヨーロッパの地名を覚え、政治家の名前を覚え、アメリカの選挙に注視する。戦争自体が直接人々を変えたのではなくて、諸々の技術の変化や価値の変化が人々を変えていく。
リラの成長だけではなくて大きな生活の変化が感じられる本。