杉並区 区立幼稚園改革方針(案)

8月5日から19日まで留守にしていたので、8月11日付けの区の広報は一昨日まで見ていませんでした。8月22日にお友達からメール貰うまでこの存在は全く知りませんでした。

月曜日に入園希望者のママたちの集まりがあり初めてこの方針(案)に目を通しました。
そして火曜日に成田西幼稚園での区の説明会がありました。
今の率直な気持ちをいうと、「半年で始めるな!」ってことです。
平成17年度生まれの子どもを持つ親で、二年保育を待っていた親にとっては、この10月の説明会、11月の願書提出で幼稚園を決定するスケジュールです。
平成18年度生まれの子どもを持つ親で幼稚園選びをしている親にとっては、三年保育か二年保育か考えて9月に幼稚園見学し、10月説明会、11月願書提出というスケジュールです。
区は8月11日から31日までパブリックコメントを募集し、検討、11月にまとめたものを発表。年度内11月に議会に提出して条令化、12月に募集というスケジュールを組んでいます。
つまりこの10月に私立幼稚園が、通常なら区立幼稚園も来年度入園児の説明会を行う時期には仮称子供園の内容がはっきり出ていないということです。
堀之内、下高井戸の二園はこうした状態で10月の私立の募集終了後に入園説明会を行い園児を募集することになります。
成田西、高円寺北の二園についても、三年保育か二年保育か検討している親にとっては詳細が決まらないまま私立の募集を見送るか、詳細が決まらないので私立を選ぶかということになってしまいます。

待機児童の解消が非常に切実だってことはわかる、長女の同級生の妹だって無認可に行ってたり、待機して専業主婦やってるママだってゴロゴロいる。待ったなしだってことも分かる。認可保育園の倍率が高いことだって知ってる。
園庭の無い託児所では3、4、5歳児が十分遊べないことだって分かる。次女の一時保育で行った無認可の託児所もやっぱり外遊びにあまり連れて行けないので人気がなくて大きい子はいなかった。
託児所の3、4、5、歳児が十分外遊びできないのは認可保育園が増えないからで、この問題は認可保育園が増えない限り完全には解消しないと思う。

長女がこの春区立幼稚園を終了したばかりだけれど、私だって区立幼稚園が決してこのままずっと存在し続けるとは思ってはいなかった。ずーっとこの手の話は出て来たし、あまりにも区立幼稚園が恵まれているからなんとなくこのままではいられない気はしていた。

だからって区立幼稚園全園を三年で改組することで解消しないでほしい。

方針(案)にある「保育時間の延長を望む幼稚園児の保護者」っていうのが区立か私立か分からないけれど、私立では三年保育は当たり前だし、延長保育のある園は多い。区立の保護者だって三年保育や延長保育の要望は今まで出したことがある。でも、今まで区は幼児期は「なるべく親元に」と言って三年保育は却下だったし、延長保育は就学の説明会のときのみやってくれるようになった。
「三年保育だったら区立に行かせたい」「延長があれば区立に行かせたい」と考える未修園の親の数を調べたことがあるのかと聞いてみたい。でも、絶対にこれは調べてないと思う。なぜなら「区立幼稚園は私立幼稚園の補完のために整備された」という基本的な考えがあるから、区は決して私立と同等のサービスを用意しようとは考えてこなかった。

「十分な幼児教育を求める保育園児の保護者」が多いのだって当たり前だと思う。預かってくれればそれでいいとは決して誰も考えていない、幼稚園児の親だって同じ。十分な幼児教育を求める私立幼稚園児の保護者だって少なくないと思う。
4、5歳児に対して幼稚園が持っている教育内容を保育園で行うことはすぐにも始められることだと思う。区立幼稚園と近隣の保育施設の交流は今まで無かったけれども、保育園児のお散歩圏内にある区立幼稚園なら実現可能だと思う。
そういった小さなことから現場職員同士が検討して幼保一体化を少しづつ検討することから初めて欲しいともう。

平成19年生まれの次女は区立幼稚園には入れないかもしれない。だからと言って妥協して納得のいかない私立幼稚園に入園させるか、いまのところまだそれは考えられない。
保護者と経営側、担任等の職員が対等に話し合えない私立幼稚園には組織として何かしら問題を感じてしまう。
区は区立幼稚園の定員を四分の一に現在の4、5歳児各64名、計128名から、3歳児16名のうち幼稚園枠8名、4、5歳児各32名のうち16名が幼稚園枠。募集人数では4歳児64名から3歳児8名、4歳児8名に減らして、定員の空いている私立幼稚園に行けと言っているも同然だけれど、頭数では話は合うかもしれないけれど、質の高い幼児教育を求めている親の気持ち、これは決して区立を希望している親だけでなく、不満を抱えながら私立に通っている親の気持ちは全く考慮の外にあると思う。

幼児教育の義務教育家とか無償化とか取りざたされているけれども、ここには絶対に私立幼稚園の教育内容の質を問う視線が必要だと思う。幼稚園児の教育についての評価は難しいと思う、親の要望だっていろいろだと思う。
でも華々しいオプションに惑わされず、文部科学省が定めている幼稚園教育要領*1をどこまで真摯に実現しようとしているかを評価して欲しい。

オプションなんか何にもいらない、こどもそのもの見て、こどもの中から湧き出てくるものを導いて欲しい。モノを大切にして、お友達も大切にする、私が区立幼稚園に望んだのはそれだけでした。延長も送迎バスも給食もいらない。毎日安心して通えて自分を出せるところ、それだけです。

*1:私は私立幼稚園の制度的なものについてはよく知らないので教育の根拠がどういうところにあるか分からないからなので、とりあえず一番大きいものを出してみました。